東京で仕事をしながら静岡の両親の近くで暮らすため、新幹線通勤を選択

日本一高い山・富士山と、日本一深い湾・駿河湾の両方を抱く富士市。静岡県は全国的にもトップを争う水揚げ量を誇ります。駿河湾の沿岸で獲れるしらすは、富士山の雪解け水や南アルプスから流れ込む山の栄養分が豊富に含まれ、おいしいと評判。

特に富士市の田子の浦港は、一艘曳きという短時間で素早く水揚げする漁法を行うことで、プリプリで鮮度抜群のしらすが水揚げされます。栄養価も高く、赤ちゃんの離乳食にもぴったりといわれるしらすは、お値段も手頃で、富士市民が専門店のほか、スーパー等でも気軽に買うことができる食材。食卓に並ぶことも多いと言います。

源平さん一家は、2019年に東京から富士市へ引っ越してきました。東京の職場へ新幹線通勤しているご主人は、静岡市清水区出身。源平さん一家に富士市へ移住したきっかけなどを伺いました。

お話をお伺いした人

源平さん一家

静岡県へUターンしようと思ったのはなぜですか?

私は静岡市清水区で生まれ育ち、就職を機に東京へ引っ越しました。システムエンジニアとして、東京以外にも埼玉や名古屋などでも働き、10年ほどスキルを積みました。その後、フリーランスとして独立。2015年に埼玉出身の妻と結婚し、2人の娘を授かりました。

もともと、いずれは両親がいる静岡県へ戻りたいと考えており、結婚前から妻にそれを伝えてはいました。子どもが生まれてからは、連休、お盆、年末年始には清水に住む両親のもとへ新幹線やレンタカーで帰省していたので、静岡県は家族にとっても親しみ深い場所になっていました。

2020年4月に長女が幼稚園へ上がるので、その前には静岡県への移住をと考え、2018年頃から検討しはじめました。

今はフリーランスのシステムエンジニアとして仕事をしていますが、月から金曜日まで東京にある特定の企業のシステムを請け負っているので、そちらへ毎日通勤するような形です。一見、他の会社員と変わらないような業務形態ですね。ただ新幹線通勤の費用は自費なので、ゆくゆくは静岡県内での仕事も見つけられたらとも考えています。

富士市を選んだのは、実家から車で30分程度のところにあるから。そして、両親が富士市にある会社へ勤めていて、私も幼い頃からよく来ていたので、なじみがある土地ではありました。自宅から新富士駅まで自転車で5分、その後、新幹線と在来線を使い、仕事場まで1時間半程度で行くことができます。新富士駅からは新幹線もあまり混まないので、席に座れて、ゆったり通勤できるのもいいですね。

妻は長年書道をやっており、高校・大学でも書道を専門に学んでいたほど。大学卒業後も会社勤めをしながら依頼された作品を書いたり、賞状の名前書き等の仕事をしたりしていたので、その経験を活かし、今後は富士市で何かできればと今はまだ模索中です。

富士市へ移住するにあたり、どうやって情報を集めたのでしょうか?

東京・有楽町の東京交通会館内にある静岡県移住相談センターで、富士市が毎月、出張相談「富士市DAY」を開催しており、こちらを利用しました。

富士市の担当の方が、本当によい方で、相談の後、住宅のこと、助成金のこと、子育てのこと、幼稚園のこと、子どもたちの遊ぶ場所のこと、富士市にある様々な施設のこと、子育てママの働く環境のことなど、メールで丁寧に教えて下さったんです。

私たちの質問に対して、資料を添付してくれたり、郵送してくれたりなど本当に親身になって下さいました。まだ東京にいる時に幼稚園の入園願書を出さなければならなかったのですが、転入前でもできることを教えていただけたので、本当に助かりました。

富士市で家を建てると助成金が出ることも教えてもらいました。

我が家の場合、当時の試算で140万円程度の補助が出るとのこと。話を聞けば聞くほど、富士市で自宅を購入しようか迷ったのですが、縁があり、立地もよい家庭菜園付きの一軒家が3LDKで駐車場2台付きで東京に住んでいた時の半分近い値段で借りられることに。きれいな家だったので、まずはこちらに住んでみてから考えることにしました。新幹線通勤代が自費ではありますが、コストを考えても今の方が家族みんなにとって暮らしやすいと思っています。

富士市での暮らしの魅力を教えてください

富士山がきれいに見えること! 富士市に来てから、妻は富士山に恋をしてしまったようで、毎日自宅の2階から富士山を眺め、その日その日で異なる富士山の写真を撮っています。首都圏でも天気がよければ富士山が見えることもありますが、富士市に来るとその美しさと雄大さに思わず見惚れてしまいますね。

また、富士市のしらすは本当においしいと思います。子ども達もしらすが大好き。しらす以外の魚もおいしくて、妻はあまり魚は得意ではなかったのですが、こちらに来てからすっかり魚好きになりました。家の食卓も豊かになりましたね。スーパーには地元の新鮮な野菜や生魚が並び、妻は散歩の途中で見つけた無人販売で野菜を買うこともあります。

自宅にある家庭菜園では、作物を育てるのが好きな両親が、野菜を植えていってくれました。子ども達とのよいコミュニケーションの場になっています。都心では家庭菜園付きの家を借りることはなかなか難しいと思うので、子育てする上でも自然に触れる場があることは素敵なことだと思います。

富士市への移住を考えている方にメッセージをお願いします

富士市は大きなショッピングモールがあり、スーパー、ドラッグストア、コンビニも充実。大きな公園が充実していて、子ども達を連れて様々な公園へ行ってみたり、富士川の河川敷でピクニックしてみたり、また、富士宮や田貫湖など富士山周辺のレジャー施設などへ出かけることもあります。来年はBBQもしてみたいですね。また、私はジョギングも好きで、休日には海沿いを10kmほど走っていますよ。


暮らしに不便を感じないので、都心から移住する方にも富士はお勧めだと思います。移住を考えるのであれば、ぜひ一度その場所を訪れてみて、周辺環境を確認してみるとよいと思います。休日と平日の雰囲気も異なるので、可能であれば両方訪れてみると、より理想にあった暮らしの場所を見つけられると思います。

私が住んでいる地域には、自治会があり、回覧板があるのですが、近所の方がとても親切。ゴミ出しの仕方を教えてもらったり、住んでいる場所の班長さんを紹介してもらったりしました。子ども達を連れて散歩していても、地域の方が声をかけてくれることも。東京暮らしではあまり考えられなかったことですね。富士市はそんな人の温もりを感じる場所だと思います。